An Interview with John Frawley

Recorded and Edited by Garry Phillipson
ジョン・フロウリー・インタビュー
聞き手:ゲイリー・フィリップソン
翻訳:ほうじ茶、他

このインタビューは英国きっての伝統占星術(日本では"古典占星術"と紹介されている場合が多い)師ジョン・フロウリー氏にゲイリー・フィリップソン氏がインタビューした模様をまとめた記事です。
今回、両氏から邦訳転載の許可を頂き、紹介させていただく運びとなりました。
お二人に感謝の意を伝えると共に、非常に興味深く含蓄あるジョン氏の言葉から、今までなかなか日本の占星術ファンに伝わりずらかった伝統派の考えが理解していただけるのでは、と願っております。
この記事の英文はゲイリー氏の著書「Astrology in the year zero」(Flare publications刊 ISBN0-9530261-9-1 関連web http://www.astrozero.btinternet.co.uk/ ) に掲載されています。



ゲイリー氏(以下Q):
あなたは以前からホラリーをやってたんですか?
フロウリー氏(以下A):
いいえ。この5,6年です。
曖昧模糊としたモダン派の教えにいい加減嫌気がさしてたとこだったんです。
ホラリーの背後にある、占星術は実に明確で具体的に回答が出せるという考え方に惹かれたんです。
明確に良い・悪いの判断を下せる所ですね。


Q:
現代占星術の教えが非常に曖昧だとする一例があれば教えてください。
A:
モダン派の占星術師達が惑星の影響を考慮する際に用いるキーワ−ドはほとんど薄ぼんやりしており、あまり意味がなく、決まり切った言葉の羅列に過ぎない。
古典派はその技術を使用することにより正しく具体的な方向へ進んでいけます。
一例として、火星を”好戦的”、金星を”協調的”等という表現をせず、代わりに
「あなたのお父さん」「あなたの妹さん」と言います。
必然的に私たちの鑑定は具体的なものとなります。 たとえ心理レベルの事柄を扱っていたとしても、です。
古典の技術は読み手である占星術師自身の安全とその予想を保証してくれる最も楽な手だてです。
高いところから人生を語る「師」になる必要は全くないのです。


Q:
人々が複雑化し、曖昧さが横行している今ホラリー鑑定よりも性格分析の方が多意味にとれる結果になるのは仕方ないのでしょうか?
このような問題では伝統と現代占星術が対立してしまうのでしょうか?
もしくはホラリーに心理分析を取り入れる事になるのでしょうか?
A:
あなたの言ってる事には一理あります。
しかし伝統的なメソッドはネイタルであれホラリーであれ、非常にシャープな心理描写を行う能力を持っています。
それは時には、ホラリーにおいても必要な事です。
似非ユング理論の言語が多量に混じっているモダン派の占星術なんかよりも、私たちが学んできた伝統メソッドの方がよっぽど素直にチャートを解釈する手助けとなるのです。
伝統技術は私たちの心理描写に明快さを与えてくれるのです。


Q:
あなたに大きな影響を与えた人として特に引き合いに出しているのは誰ですか?
A:
明らかにウイリアム・リリー。私はリリーの忠実なフォロワーです。
少なくともリリーの精神を受け継ぎたいと思っている事は間違いないです。
ある人達が言ってるような「預言者」としての尊敬の念は持っておりません。
しかし彼は明らかに経験豊富な占星術師でしたし、私が尊敬している点はまさにそこなのです。
少なくとも英国において彼のキャリアに比肩しうる業績を残したものはいません。


Q:
あなたは"プレディクションズ""ロンドン・トゥナイト"らのテレビ番組にご出演されたことがありますよね。
この時の事について話してもらえませんか?
A:
私のテレビ出演は全て特定の予言がメインです、「朝まで生討論」みたいなのには興味がないもんですから。
次週のスポーツイベントの結果を予測するコーナーをレギュラーで持っていたこともありますし、一回限りのゲスト出演的な番組も結構こなしました。
"プレディクションズ"では担当が1ヶ月先に答えが分かる質問のリストを電話口で読み上げ私がホラリーチャートを立てるといった具合です。
質問のいくつかにはあっと言わせるような正解を出しました(注1)。
あるサッカーの試合はこれ以上ないほど微に入り細に渡った回答を提出しました。
他にも、例えばチャールズはカミラと結婚しないだろう、とかエドワード王子はソフィーと結婚しないだろう(その当時の報道では彼らは婚約したのだけれども)、とかYes,Noの判断が主でした。
で、思いました、正解が出る質問ってその時みんなが興味のある話題についての問いが多いんじゃないかって。
なんでかっていうと、ホラリーをやる上での問題点って、質問者が本当はその事にあんまり興味がなく、でもいっちょ占師を試してやろうかと聞いてきたときには、それって質問じゃないことを質問しているようなものなのです。
「こいつは自分のしていることが分かってる?」僕は判断できない。「僕は僕のしてることが分かってる?」なんてね。
意味のない質問をよこされる場合もある。
ロンドン・トゥナイト"のスタッフはウインブルドンの結果について聞いてきました。
早速トーナメントのスタート時でイベントチャートを作り凄い雨になるだろう、と予言しました。
当日はまさにその通り。本命と目されていた選手は破れました。


Q:
TVで行った予測例をもう少し聞かせてください。
A:
最近では、スポーツバーに連れていかれヨーロッパカップの決勝を見る所を収録しました。
マンチェスター・ユナイテッドが1-0で負けており残り時間は5分だった。
私はファンの子らにまだ時間は十分あるし試合前の予測では2-1で勝つ事になってるから心配すんなと励ましてるところを撮りました。
結果は?最後の1分で2ゴールを挙げたマンチェスターの逆転勝ち。
私はサッカーの試合における正確な結果予測を長いこと続けています。
その予言が最も予期し得ない結果であることもしばしばです。
フランスがブラジルを破る、ノルウェーがブラジルを倒す(98サッカー仏W杯)、ハーツがレンジャースを倒す(98.4.16 サッカースコットランドカップ決勝)
ドルトムントとレアル・マドリッドが両方ユベントスを破る(ドルトムントは97.5.28 欧州チャンピオンズリーグ決勝、レアルは98.4.20 欧州チャンピオンズリーグ決勝)
デンバー・ブロンコスがスーパーボールに勝つ(アメリカンフットボール。97年かな?)
これら勝ち組はすべて戦前、専門家から「考慮の対象外」とみなされていました。
しかし占星術は彼らの勝利を明快に伝えていたのです。今までにも多くのケースで正確なスコアを出してきました。
サンマリノグランプリで本命中の本命がエンジントラブルによりリタイアしたケースも
事前に予測していました(F1 97年?)し、グランドナショナル(競馬。英国の大障害レース)の勝ち馬も当てました。


Q:
あなたの予測の的中率はどんなもんなんでしょう?(わかりやすく何パーセントとか)
A:
テレビの現場では、簡単に答を出せそうにない時でも回答を迫ってくる場合がしばしばあります。
私は全知全能だなんて言った覚えはないんですが。
的中率なんて意味がないですよ。心臓外科医は足の骨折を治す外科医よりも受け持った患者の致死率は高い、でもそれが悪い医者の証明って事にはならないでしょう?それと同じです。
私が見た中では、予測成績は十分優秀と言えます。
例えばサッカートーナメントの決勝予測で未だかつて外したことはありません。
上記したような、まったく誰も予期しなかった結果も含んでいます。


Q:
決勝の予測はどれくらい?
A:
わからない。的中した他のスポーツも含め、多数。


Q:
TVの視聴者は占星術をどのように捉えているんでしょうか、あなたの見解は?
A:
無知を楽しむって言うか・・「天王星」って言葉に奇妙な魅力を感じてる。


Q:
テレビ出演で有名になって仕事も増えましたか?
A:
ちと変わったお客さんは増えたかな(笑)でも予想したより少ないです。もうちょっとあるかなと思ってたんですが。


Q:
あなたのクライアントはまずどうやってあなたとコンタクトを取るんですか?
A:
口頭で。それだけ。宣伝してないんだよなあ。


Q:
実際の鑑定に要する時間は?
A:
さまざま。私はネイタルは全くやらない。ホラリーはバラエティに富んでます。
そのいくつかは、もう一瞬で答えを出せます。明らかに、あなたは一瞬で判断はしない。細かくチェックしていくでしょう。
でもやたら時間掛かりますよね。
私のクライアントの一人はパキスタンの政治に関与しています。チャートはパキスタンの政治状況を反映しています。
その濁りっぷりといったら!で、あなたは何が起こっているのかを調べるために、この濁ったプールの中を覗きこまなければならない・・・
もう何時間かかるんでしょうか。
リリーは10分から15分で鑑定結果を出しました。私もそのようでありたい。それは集中力を高めます。


Q:
あなたがパキスタンの政治のような問題についての質問を扱っているなら、その背景要因等、相当の研究をしなければならないのでは?
A:
時には必要です、そうですね。私はもつれた人間関係の専門家を自負していますので、そういう類の質問には割と簡単に答えられるんです。でも背景要因の知識は常に重要ですよね。


Q:
なぜネイタルに手をださないんです?
A:
ホラリーに専念したいから。
私が提供しているものはまさに占星術であるということを明確にしておきたいんです。
私はカウンセラーじゃないんです。自己確認の情報提供業でもない。
またあらゆる古典の学者達は、クライアントのネイタルを見てまず最初に行わなければならないことは彼らに自らの死の時期、つまり寿命を告げてやることだ、と述べています。
そんなのできます?実際本人目の前にして。


Q:
今までのホラリー経験でクライアントに言えなかったことってあります?
A:
あーもちろんあります。特にプライバシーの問題を含んでる場合ですね。
質問を受けたら、必ず答えを出さなければならない。が、受け付けられない質問てのも確かにあるわけです。
第3者についての質問ですね。まあ例えば「娘はいつあのクズ男と別れるんだ?」「うちのばあさんいつくたばるんだ?」みたいなのね。


Q:
でも本人が「あたしいつくたばるんでしょう?」って聞いてきたら、 あなたはやりますか?
それともやっぱり問題あると思います?
A:
質問者が意識を持った上で聞いてきているのであればそれは尊重すべきでしょう。
答えを聞きたくないなら質問すべきでないでしょう。
ただ、今の時代にはそういう問題も関心事の一つだということを考慮した上で馴染みのお客さんに限ってですが見ています。
同じく、私の仕事はほとんど電話での鑑定なので、クライアントの現状把握が非常に限られてくるのは致し方ない−例えば彼らが自分の頭に銃口を当て、すべてを終わらせるのを待ちながら電話しているかもしれないでしょう。


Q:
仕事は大抵電話鑑定なんですか?
A:
そう。私がここで誰かに直接会うのは、占星術の講習会みたいなことをやるときだけなんですね。


Q:
ネイタル読みをしないで、今までホントに問題なかったですか?
A:
私は長時間のコンサルはやらないんです。鑑定結果の説明にちょっと時間を要するときもある。
でも30分がせいぜいです。大抵もっと簡単に済ませます。クライアントは1時間かけてここに来て、「答えはNO !」といわれてまた帰っていく、この一連の動きに特に問題があるとは思わない。


Q:
あなたにとっての"クライアントを救う"ということ、その意味合いって何でしょう?
A:
あなたはまあ色んなやり方で−と言ってもご自身訳わからぬままで−人々を救ってきたかと思います。
あなたがクライアントを救ってやってると思いこんでることは、必ずしも全て成功しているとは限らないんです。
本当にクライアントにとって役立つことというのは、質問事項の成り行きを教えてあげることなんです。
占星術が暗示していることを示してやるのが自覚の始まりなんです。


Q:
リリーは「汝、神聖な技術を学び、より神に近づこうとするなら、純粋な答えが導き出される」と言っている。
あなたは占星の知識と共に、占星術師の中に神(もしくはそれ以外)に近いもの、そのような資質があるなら、鑑定にも良い影響を与えるということを信じますか?
A:
はい、これは二つの意味からそうであると信じます。
一つは、技術は勉強できます、しかしどの技術を使用するかは術師の裁量に任されています。
二つ目に、利己主義は鑑定からもたらされた真実を受け入れません。
ホラリーの美しい所は、前にも言った通り白黒はっきり出るところです。チャートに占者の先入観を入れるのは難しいのです。
そしてそれは占星術師達に多くの時間を掛け、先入観満載でチャートに踏み込み絶望的に見させようとします。
利己主義の極端な例として、占者が妙に心惹かれるご婦人が鑑定依頼してきたとしましょう。
「私は夫と別れるべきかしら?」その誘惑は占者にこう言わせる
「いやあ、まさに!これは離婚しかないです!・・・んで私今フリーなんすけど」これは避けなければならないことです。


Q:
私はあなたの"ザ・ウイリアムヒル(英国大手のブックメーカー)・アストロロジー・アワード"に関する記事の裏側をもう少し探ってみたいんですが(注2)。
記事の中であなたはサッカーの結果を予言することで生計をたてられるかもしれないと言ってますね。
これって文字通りの意味なんですか?
A:
そう。根性入れてやってみたいという人なら。私はちょっと無理ですけど。
でもウィリアムヒルを利用すれば不可能じゃない。
けれども、金儲けの追及が自分の占星判断の邪魔になる事にも気づいているんです。
それは確実に可能性があるんです。 イベントを予測し大変早く結果が得られるので占星技術を磨くのにとても適した方法です。
5年に1度の総選挙を予測するようなものじゃない。
そして非常に明確な、議論の余地のない答えを受けとれます。
ウィリアム・ヒルが研究に対する報酬を払うようなシステムだったらもっといいんでしょうけどね。


Q:
最近AA(The Astrological Association)がロンドンに新しいHQ (Headquater=本部?)を作る資金を工面しているとの噂が広まっています。 あなたがこの計画の為にウィリアムヒルで一儲けする為の元金を与えられたとしましょう。 少なくとも理論上では、これでAAに建設資金を作ってやる事が可能ですよね?
A:
抽象的には・・・そして私はこの「抽象的に」を強調する。
占星術団体が、ウィリアムヒルあるいは株式市場のいずれかにかかわらず、投資による資金調達ができないなら、それはかなりお寒いショーである。
そして実際にも、それはかなり難しいことなんです。
私のTV予言のあとで、私自身様々な方面から「儲かる予言」というプレッシャーを受けている事を感じ陰惨な気持ちになります。
私の予測が当たっているのは、このような人々が私から離れていき、私は再び自分の楽しみの為だけにやっている時だけです。
それはピントの問題なのです。テニスになぞらえましょう。
もしあなたの興味がボールを打つ、ただその事だけに集中しているなら、あなたは上手くいくでしょう。
トロフィーを掲げる事に気が行っているなら、多分あなたは勝てないでしょう。
占星術において、その焦点はまっすぐ予言に向かっていなくてはならない。
予言した後の顛末に気を回してはならないのです。
ホラリーでは常に、焦点はチャート以外にあることは許されない。お客がその結果を好む好まないに関わらず、です。
お客を喜ばせたいなんて考えがちらとでも頭をかすめたら、焦点はぼやけ、ミスが忍び込みます(注3)。


Q:
AAの集会でベルナデット・ブレイディーはボナッティについて、そして彼女が翻訳したボナッティのスポーツイベントにおける勝者予測の方法について話をしていました(注4)。
あなたの手法は過去の著名な研究家のそれに並ぶと自負していますか?
A:
イベントチャートから試合を予測する私の方法は(不幸にも)完全なる経験主義に基づいております。
ベルナデッド・ブレイディ−のメソッドは確かに労作です。しかし私は彼女の理論には欠陥があると思わずにいられない。
根っから正直者の性で、城攻めの仮説は受け入れられない。
誰もAshes(クリケット。英国とオーストラリアとの優勝決定戦)が城攻めに当たるなんて思わないと思いますよえーえー。
これは2チームが真っ直ぐぶつかる平地戦でして、どっちがAshesを保持してるかに興味をかき立てられる人はいないと思うんです。
純粋に名目上の事だけなんでね。
また私はこの全データが、厳密な取り方では全く適合しない事を見いだしています。
彼女は良くやってますよ、僕は全然ダメとは言ってない。これはあくまで個人的な見解です。


Q:
モーターレースの賭けについてはどうでしょうか? もしあなたが全ドライバーのネイタルを入手できたら、特定のレースに誰が勝つか を鑑定する良い理論を発表できるのでは?
A:
全ドライバーのチャートを見るなんて難行苦行ですよ、まあ実際には2,3のドライバーのチャートを見るにとどまるだろうけれどもね。
僕はコンテストでネイタルを見比べるなんて絶対やりませんよ。
ネイタルを見る際の大きな問題は、信頼性への不安、平たく言うと何月何日何時にどこそこで生まれたなんて情報は全く当てにならないって事なんです。
ジョン・アディが発展させた競馬・ゴルフ・その他の種目で勝者を当てるテクニックが あります、が、パズルの1片をどこかに見失っているようです(注5)。なんか欠けているんです。
僕がそれを拾って完成させることは出来ますけれども。
欠けているもの、それはその中に何かがあることを暗示しているんです。


Q:
サッカーの話に戻って、試合の性質を表すものとしてキックオフ時のチャートのアプローチの話題にいきましょう。
たとえば土曜日のイングランドで、正午キックオフの全試合はほとんど同じといって良いチャートになります。
そこでは何が起こるでしょう?
A:
この方法はファイナルカップや欧州選手権などのように、1つあるいは2つの重要な試合の場ではよく機能するんです。
だけど、土曜日に何が起こるかって? 私にはわかりません。
私はミクロアストロロジーの類いを試みてきています。
それはどのようなことかというと、同じようなチャートでも数秒単位の違いで何故その場所のホームチームが勝利し、何故そこから183mしか離れていない場所のチームが負けるのか、そういったことをチャートが説明しているかどうかを見るようなことなんです。
ビリヤードスヌーカー競技でも同じ問題を捉えることができます。
スヌーカートーナメントでは、同時刻に同じ部屋内で6台がプレイを開始します。
もしその開始時間のチャートが強者の勝利を示すものであったとしても、でもその全ての試合で強者が勝つことはないでしょう。


Q:
このことは多分、占星術の的中のしかたというものには何か奥深いものと、
そして問題の重要性というものが大いに関係するのだと言っているようですね。
A:
確かにそうなのです。 そのことはおそらくカーター(チャールズ・E・O・カーター)が彼の記事 『ドクトリン・オブ・サブサンプション』(包括論)の中で話している、生じる物事というものは一つの広大な天意のなかに包含される”という考え方に関係があるのではないかと思います。
その考え方でいくと、土曜日の午後3時に開始される全てのサッカー試合のイベントチャートというのものは、ランカスターゲートのプレミアムリーグ本部のある場所で作成した一枚のチャートに包含されるということになります。
この考え方の要所を掴んでください!


Q:
カーターはそれについてどんな点を話しているんですか?
A:
よく覚えていないんですが(注6)、でもカーターはそれについて広島を例にあげて話しています。
原爆で殺された人々が全員その日に亡くなるとチャートに出ていたわけではなく、彼等の運命というものは日本という国の運命の中に包含されるのだと。
リリーは彼のチャート判断の一つを判断ミスとみなし、同様のことを話しています。
クリスチャン・アストロロジーにも出てくるルパート王子のチャートについて、自分は判断を誤ったのだと言いました。
なぜなら、自分はルパート王子のチャートを見るべきではなく、イングランドという国のチャートを見るべきだったのだと。
王子の運命はイギリスという国の運命のなかに包含されるのだと(注7)。


Q:
素晴らしい判断成功例とひどい失敗例をあげなければならないとしたら、 あなたは何をお選びになりますか?
A:
顕著な成功例は、パキスタンのブット政権が1996年11月に崩壊すると公的に予言できたことです(アメリカン・アストロロジー・マガジン誌上にて)。
当時1995年5月、この状況に深く関わっていた私のクライアントは自分の失脚が今すぐにでも起きるだろうと思っていましたし世間一般でも、そしてホラリーの伝統的占星術の技法を使わないさまざまな東洋西洋の占星術師たちもそうみていました。
しかし、私が使ったこれらの技法は、パキスタンの最高政府情報筋がありえないと断言する予測をもたらし続けました。
そしてそれは本当のことになったのです、先般の裁判長解任のように。 劇的な失敗例は、他の皆さんもそうであったように私もダイアナ元妃が再婚し子供を持つと思ったことです。


Q:
あなたの仕事の中の、他のいくつかの特筆すべき成功例を挙げていただけませんか?
A:
たくさん、たくさんの例があります。 1人のお母さんが何ヶ月間もひどい頭痛で苦しんでいる娘さんのことを訊ねました。医療専門家たちには原因がわからなかったのです。
占星術のチャートは娘さんの頭痛の原因は肝臓の不調の結果起こっていると明確に示していました。そして数週間後、その医療専門家たちは私と同じ推定を下しました。
このことは純粋に占星術によってなされたものであり、私は母娘に会うことはおろか、娘さんの医療経歴についての知識も持っていませんでした。

先頃は1人の年輩の御婦人が高価なショールをはおって外出した際に、それをどこかに掛けて忘れてきてしまったとの相談でした。
チャートは彼女の家から2軒離れたフランス料理店にあると示していました。
これも、そのような場所が存在することや、彼女がそこに行ったと聞いたわけでもなかったのです。

また別のクライアントは無くした2丁のピストルのありかについて訊ねました。
彼は家にいた職人が持ち出したと頑に言い張っていましたが、占星術のチャートはその2丁のピストルがまだ金庫室にあることを示していました。
彼はそんなはずはないと言いましたが、実際戻って見てみるとピストルが2つそこにあったのでした。

あるクライアントは2ヶ月後にガーデンパーティを開く計画をしていました。
占星術は予定の日は一日中雨が降ると示しており、実際その日はずっと雨でした。
このことを前もって知る事ができたので、彼女はパーティの日を別の日に変更することができたのです。

さる大統領が収賄の容疑で裁判にかけられ、彼は有罪となり解任されることが確実視されていました。
チャートは大統領が彼を免職させるよう決めていた裁判官との取り引きに成功し、告発は取り下げられるだろうと語っていました。
クライアントは権力の座の近くにいて様子をよく知ることができ、「絶対にそんなはずはない」と私に言ったのですが、現実に、私の言った通りになりました。
それはまったく驚いたことに、占星術が提示したことなのです。


Q:
もし誰かがこれら全ての事例はただの偶然だと言ったら、 どんな風に答えますか?
A:
そういう意見は気にしません。


Q:
あなたは人生についての御自身の信条をどのようにラベリングしますか?
A:
アセンダント山羊が、私の信念のほとんどを要約しています。 
ひとことでいうと、ミゼラブル・バスタード(不幸な私生児)なのです! 
私はカトリック教徒ですが、それは私を満足さすに十分な知的精密さを持っている唯一の教義だとわかったからなのです。


Q:
あなたは占星術を行うこととカトリック教をどのように調和させていますか?
A:
98%の私はまったく矛盾を感じていません。
私はカトリックに生まれていませんでしたが、占星術を通じてそれに出会いました。
教義問答集は、全ての占星術師は悪魔の手先と言っていますが(注8)、
残りの2%の私はそれがまったく的確なことだと思っています。
私はこの理由のために占星術の営みを止める時がくるのではないかと思っています。
ですが現時点では、信仰が私の占星術を拡げ、そして占星術が私の信仰を拡げてくれるものだと思っています。


Q:
あなたは占星術がこのジレンマへの答えを見い出すための助けになると 感じますか?
あるいは、あなたにとってはその選択権を支配している占星術というものへ、占星術について訊ねることには矛盾がありますか?
A:
私はそういうことを訊ねるのは不敬にあたると考えています占星術以上に大切なことはいくつもあります。
占星術はいわばスペクトルのような働きをしますが、そのスペクトルの光源である白光が究極的には重要なのです。


Q:
あなたは自由意志と宿命の問題についてどの立場をとりますか?
A:
そのディベートは、自由意志のコンセプトを理解している人間がいかに少数かということを表しているに過ぎません。
大抵の人が「自由意志」について話すとき実際に意味しているのは「きまぐれ」なんですね。
チャートがあなたに示そうとしてることは、あなたの意志は最後の最後に表れる、ということなんです。
もし無理に鼻を高くしてもらっても、死ぬまぎわにきっと妖精に「お願いだから元に戻してくれ。鼻のソーセージを取ってくれ!」と言うでしょうね。
それがあなたの意志なんです。 あなたの意志が、あなたというものを形づくっているのです。


Q:
では自由意志とは、あなたにとって神が望むことを喜んで行うことでしょうか?
A:
私はそうだと答えます。


Q:
あなたが取られた伝統的占星術という道へひきつけられた理由を、
ご自身のネイタルチャートの中の1、2のファクターに帰結していただけませんか?
A:
はい。非常に強い土星とやぎ座の上昇によるといえるでしょう。
土星はMC上にあり、土星というのは、もうハッキリと伝統へのリスペクトを表しています。
それは、「これは私には効かないから、自分で方法を考え付こう」というような、よくあるいい加減さで収めるということより、自分ではどうすることもできないと認識することや、あるいはそれを持っている人から受け継ぐことや、そしてどうすべきか適切に学ぶ訓練を喜んで受けようとする認識であると考えます。
この土星の影響のひとつは誰かを喜ばそうと気を使わせないこと、もうひとつはチャートが正しく示すことへ集中しやすくしてくれていることなのです。
だから、このことが上で話したことについて比較的焦点をしぼりやすくしてくれているのです。


Q:
あなたはなぜ雑誌を発行するのですか?ひどく大変な作業に違いないでしょう?
A:
とても大変な仕事です。基本的に私がこの仕事をはじめた理由は、編集者へのいらだちからなのです。
このように私は自分の書きたいように、たとえそれが人々を仰天させてひっくり返してしまうことでも、書きたいことが書けるんです。
このことは私が自分の興味の対象のサッカー、文学、ロックミュージック などをとことんやるのも許してくれます。
それらの一番上に占星術のコーティングをすれば、原稿のできあがり! というわけです。


Q:
あなたが最近12ハウスについて話したことで聴衆をとてもびっくりさせたと 聞いたんですが、何を話したんですか?
A:
そうなんです。狙いが当ったようでうれしいですね!12ハウス内の天体は、正確なアスペクトや強いミューチャルレセプションなど、 何かこの困難から抜けだせるような条件を持っていなければ、非常に行動することが難しいと取るのです。
特に難しいのがネイタルチャートの12ハウスにアセンダントルーラーが入っている場合で、トニー・ブレア首相のケースがそれです。彼のアセンダントルーラーは12ハウスにありますが、アセンダント上に正確に位置する火星とミューチュアルレセプションの関係にあります。
このことが彼に成功を許すこととなりましたが、しかしそれは本当の彼ではなく、
彼のペルソナの一種を通じてのことなのです。
異義もありましたがそれは
「OK、彼の天体は実際の世界では機能しない。でも精神的なレベルでは機能できるのだ。
だから成功したという彼もペルソナなどではなく本当の彼なのではないか。」
というようなものでした。
私の偏った見方ではなんですが、これは精神性というものを単にモダンな人々が勘違いしているということなんですよね。
「実際の人生は台無しだ。それゆえ深く精神的なのだ。」と。
でも精神性っていうのはそんなものじゃないんですよね。


Q:
するとあなたは、12ハウスをマレフィック(有害)だとおっしゃいますか?
A:
ハウスというものはマレフィックにはなり得ません。ハウス自体は何もしません。天体がするのです。
伝統的占星術ではマレフィックが障害だとみなされています。
この場合のマレフィックとは、サインやハウス位置が悪いせいで弱められていることによって、機能に難のある天体の事を指すのです。
マレフィックという考え方には、もちろん 「自分を殺さないものは自分を強くしてくれる」といったような意味があります。
しかし、占星術はgoodとbadをワンセットにする考え方を内在しています。
たとえば、飲酒で人生が潰えたとします。そうするとチャートに示されていることは何でもマレフィックになるでしょうが、悪い状況から学ぶことがなにもなかったなら、今もそしてこれからもずっと不幸なことでしょう。


Q:
あなたはご自分の12ハウス内にあるノースノードについてどう思いますか?
A:
12ハウスのノースノードのおかげで、ルックスが良いとか、魅力的とか、上品とか、そういうことはまったく言い切れませんね。


Q:
今日の占星術の状況について、あなたがこれから見てみたいと思う変化は何ですか?
A:
すべての占星術師が互いの議論を終わらせるまでヘッドバットし合うのを見てみたいですね。


Q:
あなたが占星術師たちは他者の異なるアプローチに対して寛大に取り扱うべきと考えている点は、それらが等しく有効だからなのか、それとも皆が一つのベーシックなアプローチへの落ち着くべきだとお考えになっているからなのですか?
A:
人は個人的なものを取り上げて説明するまでもなくそれぞれ違いを持っていると思います。
たとえば私はあなたと占星術的なテクニックについてひどい喧嘩をしたかもしれなかったけれど、一緒にお酒を飲みにいけることはとても幸せですし。
主要な問題は、人々が自分達のテクニックについて不安に感じているのに、それでいてあたかもそれらを死守しなければと思っているような所なんですよ。


Q:
占星術が大部分の人々にとっては購入するのに最初ためらってしまうものとみられていることは避けられない問題だと思いますが、あなたはそれは何か変化する可能性があると思いますか?
A:
当分は無理でしょうね。


Q:
あなたはそれが問題だと思いますか?たとえば占星術が大学で教えられたり、
とにかく普通一般レベルに普及して、もっと受け入れられるようになってほしいと思いますか?
A:
うーん、私は占星術が大学で教えられたり、また占星術の大学などができてほしいとは思わないね!
どうかなあ、トップクラスの頭脳が占星術を勉強した時代も昔はありましたが、今はそんな時代ではないですから。


Q:
占星術を副次的なものとして帰着させた大きな要因は何だと思いますか?
A:
私達は非常に異なる角度からこのことを見ることができますし、異なる理由を見つける事ができます。
私の『Astrologer's Apprentice』は内実、この問いに対しての考察を進行させているものなんです。 私達は占星術が副次的なものとされた問題の理由が、社会の産物、そして政治的または宗教的な変化の産物とみる事ができます。その原因は占星術が必要としていた主要なコンセプトを排したことでした。
このことで占星術は新しい社会政策機構に適合し、俗に「啓蒙」ということでそれを行う技術者たちに名誉を与えたのです。
もしこの問題について一つの特定の原因にラベリングをしたかったら、私達はたぶん宗教改革の方向へ行くでしょう。
これが人間を神あるいは印刷機より上に位置させ、教育のスタンダードレベルを落とす結果になったのでしょう。


Q:
このことから私達は何を学ぶ事ができますか?
A:
占星術の知的基盤は医術の現代疑似科学や天文学等のものよりも、もっと確固としたものなのです。


Q:
占星術師は占星術が陥っている穴から抜け出すために、 道をかきわけて進むする必要があると思いますか?
A:
ナンセンスな天王星を忘れ、水星という偉大な伝統へと立ち返るべきです。
私達は考える人間であって、奇人変人ではないのですから。





脚注:
1. これらの予言の中には、W杯予選第一試合で英国がイタリアに1-0で破れたもの、FA杯決勝でチェルシーがミドルスブラを2-0で下したものが含まれている。
これら予測の詳細についてはジョン・フローリー発行の雑誌The Astrologer's Apprenticeの3及び5号に掲載されている。

2. The Astrologer's Apprenticeの5号です。

3. 荘子の言葉と比べてみてください:
「射手が何も賭けずにただ射るのみの時、彼はその能力を十全に発揮できる。
真鍮のバックルを賭けて射ようとする時、彼はすでに緊張している。
金でも賭けていようものなら、目の前は真っ暗、もしくは的が二つに見える − 気が動転しているからだ!
彼の技量に変化はない。 けれど賞品は彼を分裂させる。気にしてしまうんだ。彼は射的よりもより勝利を気にする − そして勝つ為に必要なこと 力を完全に抜くことだ」荘子、トーマス・マートンによる翻訳(Unwin,1970) P107

4. 「スポーツに見る12世紀の攻城戦」リー・レーマン&ベルナデット・ブレイディ著 占星術ジャーナルVol.39No3(1997年5/6月号)

5. "ザ・グランド・ナショナル" ジョン・アディ著 占星術ジャーナルVol2No2(1960)。
占星技術を磨きたいなら、チャールズ・E・O・カーターの競馬研究に目を通しておくのも悪くない。
「...北極圏、プラシーダス、キャンパナスで何が起こったとしても、確実にエプソム競馬場とニューマーケットでは価値があると確信している」
占星術クオータリーVol.30 No4

6. これはチャールズ・E・O・カーター 「Basic Astrological Points of View(占星術の基礎的な見方)」中の「Propositions(割合)」 の二つにより言及されています。
「Primary Involvement」(二人以上の人物が同じ状況に関わっているとき、最も正確な結果は一人の主要な人物の考慮から割り出せます)。
「Subsumption」(全てのチャートはより広く大きなもう一つのチャートの包括下に置かれていると言って良いでしょう)
−占星術クォータリー Vol. 28 Nos. 1 and 2.

7. ウィリアム・リリー「クリスチャン・アストロロジー」(レグルス、1985)P454

8. 1993年教義問答集2116項 「あらゆる予言は除かれなければならない。悪魔に頼ること、死者を呼び出すこと、未来が見えると喧伝するインチキな研究。 ホロスコープ、占星術、手相、予言や前兆を語る者、透視能力、時・歴史・つまるところ人智を越えた力を欲する密かな望みを叶える手段に頼る、隠れた力を懐柔したいと思うのと同様に。
彼らは私たちが神のみに捧げる名誉、尊敬、畏怖を否定する」
問答集はChristus Rex (クリスタス・レックス)のHPからダウンロードが可能。 http://www.christusrex.org/www1/CDHN/
占星術クオータリーVol. 64 No. 3 (1994年夏号)にRev Laurence Cassidy (レブ・ローレンス・キャシディ)寄稿、問答集による職業占星術の説明がある。





ジョン・フロウリー。1955年生。英国人。古典占星術の鑑定及び実践家。
自らのコースを持ってホラリー・エレクション・ネイタル占星術の普及・指導に当たる。
講演・文筆・テレビ出演多数。特にテレビでのホラリー実践では現在まで驚くべき的占率を残している。
雑誌「Astrologer's Apprentice」主催、
近書「The Real Astrology」 (Apprentice books刊 ISBN 0-9539774-0-4)も好評。
Web site は http://www.apprentice.demon.co.uk/index.html