Native Chart分析例

by cronus

 チャートの分析をしてみたいと思う。例題チャートは女性、独身である。出生時間は母子手帳によるが時単位(hour単位)の記載であるため精度について疑問なところである。

チャート
ディグニティ
ホロスコープ画像出力 Stargazer for Windows by delphi

 一般的にネイタル・チャートを読む場合、出生時の天体から導き出される性格、行動からその人の運勢を分析する。特定の質問があった場合、プログレスやトランジットを参照し今後の展開などを読んでいく。


 通常、Natalチャートを読む場合の順番は次の通りである。

  1. ASCとASCの支配星の状況
  2. Luminaries(太陽、月)の状況
  3. その他天体の状況
     これに加え、アスペクトを勘案する。例を揚げると次の通りである。
  4. 一つの天体に多くの天体からアスペクトが集中していないか。
  5. 合を形成している天体はないか。
  6. アングル(軸)と合になっている天体はないか。

 さらに、個別の事項を見る場合ハウスを検討していく。


I ASC及びASCの支配星の状況

 ASCは蟹であり、その支配星月は(私はalmuten rulerは使用しません)、魚にあり金星と合を形成している。Cardinalな蟹がASCであるが、支配星はMutableな魚にあり、しかもCadentな9ハウスにあるため蟹の示す行動力(せっかちな、せわしなさ)はいくぶん弱まっていると思われる。月はfeminineな天体であり、同様にfeminineな金星とfeminineな魚で合を形成しているため、かなり女性らしくwetな性格面があると見て取れる。

 参考までに、Dignityを見てみると、太陽、月ともにEssentialなDignityが無い状態である。この場合をperigrineと解説している書籍もあるが、Debilityがあればperigrineでは無い、あるいは、AccidentalなDignity(アスペクトなど)があればperigrineでは無い、としている書籍もある。
 Dignityについては、Dignityが高い(ポイントが高い)からその天体が管轄する事柄に幸運なことが起きる、その天体があるハウスが所管する事柄について良い事が起きる、といった短絡的な解釈はできないと思う。逆にDignityが低い(Debilityな状態にある、ポイントが低い)場合も同様に、不幸なことが起きるとは解釈できません。Dignityは天体がどのような性質を帯びているかを示すものであり、それ以上でもそれ以下でも無いと考えてます。

 また、Natalチャートを分析する場合、EssentialなDignityよりもAccidentalなDignityの方がより天体の性質を示していることが多いです。私見ですが、AccidentalなDignityはハウスと関連させながら考慮する場合が多いからだと思います。Essentialを基本的あるいは本質的としAccidentalを従属的なと捉えている方もいるかと思いますが、Accidentalのもう一つの意味である偶然のという意味で理解してください。Essentialは天体がサインを運行することにより生じますが、Accidentalは出生時間に左右されるので、より個別的に選択的に影響が働きます。

II Luminariesの状況

 ASCの支配星は月であり、月はその人の感情、体質を示すものであるが、彼女の場合、合を形成する金星が月に対し強い影響を与えている(金星の項を参照)。
 太陽は月と同様に魚にありMCと合を形成している。太陽にとっては有利な9ハウスにあり火星とセクスタイルを形成している。また、太陽はMCと合であり、10ハウスに入るという考え方もできる。太陽はMC付近にある時に最も力が強いとされ、MCが示す名誉が良い意味で発揮されることを示している。
 これについて、MCはその人が社会に対しどのような考えをもって臨んでいるか、社会的な場でどのように振る舞うか、社会的な名誉にどの程度重きを置いているか示している。太陽はチャート本人の意思や態度を示すものであり、MCに太陽が合の人、あるいは10ハウスにある人は自分の社会的な立場や名誉を考慮した行動、活動をとることを示しているものである。

III その他天体の状況

 水星は10ハウスにあり、木星とセクスタイルである。サインをまたぐため幾分影響力は減じられるが魚の支配星木星とのアスペクトであり、彼女に対し知識の豊富さと人柄の良さを与えている。一般的に水星は知識、知性の他に正直であるか、ずる賢いかなどを示すものである。
この水星については、EssentialなDebilityがありさらにSun Beam下にあるが、実生活を見てみると知性、仕事に対する理解と処理能力は平均以上のものがあり、とてもDebilityによりポイントが低いとは感じられない。

 金星は9ハウスにあり有利な(Exaltな)魚にある他、Termも一致している。Sun Beam下にあるが月と合である。互いにFeminineな金星と月の合であり、女性の場合、愛らしさ、しとやかさなど、女性の美点が強調されることが多く、性格的にも穏和となる。魚の中で合が生じていることもあり、前述した通りfeminineな性格面が際だっている。また、月と金星はASCとのトラインである。オーブの取り方については諸説あるが、物腰の優雅さプロポーションや顔かたちの良さはここから来ているものと考る。

 火星は7ハウス内にありヘッドと合である。ヘッドについては書ききれない程諸説があるが、私が考えるには、自分が追い求めたり興味を持つ環境を示し、それは多分に人的なつながりを示していると思う。彼女は大学時代野球部のマネージャーをしていた。火星については男性一般、5ハウスのrulerということでスポーツを示すことからうなずけるものがある。また、金星と火星はExaltation同士のmutual receptionである。彼女は、男っぽい(ボーイッシュな)性格ではないけれど、男性グループと物怖じせずにつきあっていけるが、このアスペクトとmutual receptionが示しているようである。

 木星は水瓶にあり特別なDignityは無い。前述した通り水星とのセクスタイルを形成している。不利と言われている8ハウスにあるが、それ以外のDebilityは無い。一般的に木星の所在はその人が肯定的に取り組んでいける分野を示すものである。

 土星は不利と言われている12ハウスにあり、太陽とpartileなスクエアである。土星が12ハウスにある場合内面の孤独感が強かったり、利己主義の傾向が生じる。一般的な交友関係にこのような性格が露見することはないが、底意地の悪さとなって現れる場合もある。

 海王星は6ハウスにあり月、金星とスクエアである。海王星がアスペクトを形成すると現実感が薄くなったり、曖昧な性格を生むことになります。天王星にアスペクトは無く、冥王星は木星とトラインです。冥王星は集中力を高める作用がある。

Sectについて

 Sectについて見ると次のようになります。いずれの天体も最低一つのSectは満たしています。
 Sectについて見ると次のようになります。いずれの天体も最低一つのSectは満たしています。Sectとはチャートを昼生まれ(Diurnal)と夜生まれ(Nocturnal)に分け、天体がその昼部分(day)あるいは夜部分(night)あるか、そして、男性&昼(Masuculine&day)サインにあるのか、女性&夜(Feminine&night)サインにあるのかを検討します。もちろん天体にもMasuculineとFeminineの性質があり、天体が自分性質とマッチしたSectにある場合、天体の性質が強化されていることになります。
 この中でSectが最も一致しているのは木星であり、EssentialなDignityは無いけれど一定のFavorableな状態にあると考えられる。

天体
天体のSect チャート上のSect サインのSect その他
太陽 Diurnal Diurnal Nocturnal  
Nocturnal Diurnal Nocturnal  
水星  common Diurnal Nocturnal 天体のSectはevening starであるためNocturnalとなる
火星 Nocturnal Diurnal Nocturnal  
木星 Diurnal Diurnal Diurnal  
土星 Nocturnal Diurnal Diurnal  


Triplicityについて

 Triplicityを見ると、彼女はDiurnal生まれであるから太陽のTriplicityを見ることになる。魚はWaterサインであり昼の部分の天体は、金星、火星、月になる。金星はexaltしているがcadentにある。火星も同様にexaltの山羊にある。この火星はangleにあり太陽とセクスタイルを形成している。月はcadentにある。金星によって示される人生の初期はそれ程問題なく、中期は輝かしい発展を遂げるだろうが、終盤はやや困難が多いと解釈できる。

個別事項について.....結婚

 チャートを見て個別の事柄を占断する場合、Significatorを選定することになる。一般的な結婚についてのSignificatorは、7ハウスカスプ(DSC)の支配星、7ハウス内の天体などとされている。また、配偶者のSignificatorとして、男性の場合は月と金星、女性の場合は太陽と火星とされているのが一般的だ。さらに、結婚(生活)については天王星の関与についても検討を要する。基本的な愛情面については金星を検討する。
 また、Part of Marriageを検討している書籍もある。彼女のPOMは天秤16.9度である。


diurnal chart nocturnal chart
男性 venus-saturn+asc saturn-venus+asc
女性 saturn-venus+asc venus-saturn+asc

i 太陽について

 太陽については、彼女がどのような生き方をする男性に対し興味を持つか、いわば彼女が夫に対して求める本質面が表示されます。太陽の格式が良ければ夫として誇れるような人と結婚するであろうし、尊敬できる人と結婚することになるであろう。
 彼女の太陽は豊穣サイン(Fruitful sign 蟹、蠍、魚)にありMCと合(culminate)、EssentialなDignityこそ弱いがAccidentalなDignityは高い。反面、12ハウスの土星とpartileなスクエアを形成している他、火星とセクスタイルである。
 太陽が魚のサインの中でapplyのアスペクトを形成(オーブは無視)する天体から、相手の男性を推察する技法がある。火星、土星、水星の順にアスペクトを形成する。

ii 火星について

火星はどのような男性を選ぶか、ということを示してます。夫としてよりも男としてどのようなタイプを選ぶかが示されます。簡単に言うと男性としてどのような魅力を持った人を選ぶか示されます。火星の格式が良ければエネルギッシュで積極性と決断力に富んだ人を選ぶことでしょう。一般的に火星が
 火星は結婚相手を示す7ハウスにありEssentialなDignity及びAccidentalなDignityとも高い。太陽とセクスタイルを形成している他ヘッドと合である。

iii DSCの支配星である土星について

 DSCの支配星及び7ハウス内にある天体はその人がどのような状態での結婚と結婚生活を求めているのか、あるいは実際の結婚生活が示されます。DSCの支配星あるいは7ハウス内の天体の格式が良ければ、円満な結婚生活となる。

 DSCの支配星は土星である。Triplicityを得、Diurnalな生まれでさらにmasculineなサインにあり、ある程度の品位はあるが、結婚(相手)を示す太陽とのスクエアが形成されており、12ハウスにあるため土星の美点とともにMaleficな面も発揮されやすい。土星が12ハウスではHouse of Planetとして解説してある書籍がありますが、これは土星の特性(Maleficな面もそうでない面も)を最大限発揮できる場所ということです。

iv a天王星について

 天王星は4ハウスにあり他の天体とはアスペクトを形成していない。
 天王星はこれまで書いてきた結婚と関連する天体とイージーなアスペクトであっても形成されていない方が結婚生活は安定します。天王星が関与している場合、結婚相手についても天王星が関与しているチャートの持ち主を選ぶ傾向があり、結婚後トランジット天体が天王星を刺激した場合(当然天王星とアスペクトしている天体も刺激される)天王星が示す、心変わりや別離が生じる可能性があります。

vii Part of Marriageについて

 POMはAngleである4ハウス、天秤16.9度にあり火星とスクエアである。Angleにあるが火星とのスクエアで相殺されている。またPOMのlordは金星であり、金星はCadentにあるため結婚はスムーズに進まないだろう。
 9ハウスについて様々な議論があるかと思う。ASCからトラインを受けているハウスであるからFavorableなハウスである。Angleから落ちていくCadentなハウスであるから力の弱いハウスであり天体の力が発揮されがたい、等々。
 私が考えるに、9ハウスは太陽がMCを越え最も力を発揮している場所であり、ASCからのトラインもあるし、何よりも9ハウスの持つ意味が肯定的である。9ハウスに各種天体がある人のチャートを見ると屈折した点が見られない。これは、ハウスの素性が示すものではないだろうか。屈折という性格は水星や月とmaleficやtrans maleficの海王星が関連している場合起きるけれど、その程度はどのハウスにあるかによっても大きいと思う。

結婚について....まとめ

 彼女の結婚について、太陽の格式が良く格式の良い火星とセクスタイルのアスペクトがあるため、結婚相手、結婚生活ともに良好であろう。しかし、12ハウス土星とのアスペクトは結婚に関する障害があることを示している。結婚のSignificatorに対し土星が関与している場合、結婚の遅延や解決が困難な問題が生じることがある。これは自分と相手が根気よく努力したり、互いに年を経ることにより解決できる問題ではあるが。

 実際彼女は二人姉妹で、姉は結婚し生家を出ている。彼女は両親とともに暮らしているため結婚が遅れたこともある。両親のSignificatorとして、4ハウスの支配星(両親あるいは父親:注1)、10ハウスの支配星(母親:注1)である。10ハウスのカスプは木星であり、インターセプトされたサインの支配星は火星である。4ハウスのカスプは水星であり、インターセプトされたサインの支配星は金星である。木星と水星を比べると、水星がElevateしているがDignityは低い。セクスタイルのアスペクトを形成している。
火星と金星を比べると、どちらも品位が良くしかもExaltのMutual Receptionである。両親が一致し意見になることを示している。また、金星に対し月がApplyの合であり、最終的には父親が彼女に結婚を許諾したことが考えられる。
 
 相手の男性は、太陽と火星に象徴される立派な人であろうが、土星とのスクエアが示す暗い面、脆弱な面を併せ持った人であろう。結婚生活についてはアスペクトと品位の良い火星に象徴されることであろう。また、夫の気弱さや優柔不断な面に悩まされることもあるだろう。

 彼女は現在婚約中で12月に結婚する予定である。彼とは二十歳の頃大学で知り合い、以来遠距離恋愛を続けてきたそうである。ここで気になるのは、9ハウスである。9ハウスは外国を示すハウスであり言語、文化が異なる他国示すものであ。月、金星等が9ハウスにあるから遠い場所にいる人が愛情の対象になった、というのは短絡的であると思う。遠い異国で生活してもそれに順応できるし、そんな場所やそこにいる人も愛せる、愛着を持てる人、というくらいの解釈で良いと思う。
 それよりも、3ハウスのカスプ獅子の支配星は太陽であり、DSC内にある火星とセクスタイルで恋人であり結婚相手と良くコミュニケートを続けたということが特筆されると思う。

注1 両親のSignificatorについて
 Medievalな書籍関連は4ハウスを両親あるいは父親、10ハウスを母親としているが、Ptolemyは太陽(Diurnal)、土星(Nocturnal)を父親、月を母親としている。Greekでは10ハウスを両親としている場合がある。現代占星術は4ハウスを母親、10ハウスを父親としている。
 個々のチャートを分析してみるに、4ハウスは両親であり、10ハウスについては明確に示しているとは思われない。天体については人によりSignificatorが変わる可能性があると考えている。
 今回はMedievalの考えにより分析した。

その他....気になること
 7ハウス山羊の火星と12ハウス双子の土星がクインカンクスのアスペクトがpartileに形成されている。クインカンクスはストレスのアスペクトと言われている。対人関係や表だった敵を示す7ハウスとプライベートや見えない敵を示す12ハウスにある天体同士がアスペクトを形成していることになる。対人関係のトラブルが見えない敵を生むことを考えられるし、それにより気持ちも滅入ることがあるだろう。また、太陽がこれら天体にアスペクトしていることから、自分の名誉に影響を及ぼすこともあるので注意が必用であろう。