書  評

洋書「A」〜

Horoscope Symbols
タイトル
Horoscope Symbols
著 者
Robert Hand
出版社
Schiffer Publishing, Ltd.
ISBN No.
定 価
お勧め度
★★★★★
タイトルの通り、ホロスコープに現れるシンボルの意味を詳述した本です。10の天体、各種アスペクト、12のサイン、12のハウス、のそれぞれが何を表すのかということが、ひたすら詳しく書かれた本です。各ハウスに天体が入ったときにはどういう意味になるかといった個別的なことを詳しく説明することを目的とした本ではないので、「太陽が12ハウスにあるときはどんな意味?」といったクックブック的な使い方には適していません。ホロスコープを解読するための応用力を身に付けるためには、クックブック的な本に頼るだけでなく、ホロスコープ中に現れる各シンボルの意味を一つ一つ吟味して、自分の知識の体系の中に組み込むことが大切です。この本は、そういった目的のために読むために適した本です。

また、本書は、天体、アスペクト、サイン、ハウスといったシンボルの表層的な説明に留まることなく、深い洞察を加えながら、著者独自の考え方が展開されています。たとえば、サインの支配星について、「このサインの支配星はこの天体である」と所与の知識として説明するだけでなく、サインと支配星の間の親和性と違和感、他の支配星の可能性といったことが論じられています。本書の最後の章では、ハウスの解釈について、興味深い議論がなされています。各サインの意味は、対向するサインや前のサインの意味に影響を受けて決まっているところがあります。たとえば、8ハウスは、現金を管轄する2ハウスに対向するハウスであり、パートナーとの関わりを表す7ハウスの次のサインであることから、パートナーとの関わりの結果もたらされる資産、遺産といった意味が出てくるわけですが、こういったハウスの解釈は、ハウスを半時計回りに解釈するということが前提となっています。すなわち、1ハウスから始まって、2、3、。。。、12という半時計回りの順序でハウスを解釈するからこそ、7ハウスの「次」は8ハウスという解釈が導かれるわけです。こういったハウス解釈に対して、本書では、時計回りでハウスを解釈するという興味深い見方を紹介しています。

このように、本書は、初学者だけでなく、専門家にとっても、貴重な情報を与えてくれるものと思います。和書にあきたらず、洋書まで読み進もうという方にとっては、お薦めの1冊です。比較的読みやすい英語で書かれていると思います。
by 隠星 (2001/7/19)


Planets in Synastry
タイトル
Planets in Transit
著 者
Robert Hand
出版社
Whitford Press
ISBN No.
定 価
お勧め度
★★★★★
ネイタルに加えて、プログレス、トランシットを検討することにより、過去、現在のイベントの分析や、未来のイベントの予測を行うというのは、西洋占星術では頻繁に使われる技法です。

本書では、トランシット天体とネイタルの感受点の間のアスペクトが一つ一つ丁寧に解説されています。トランシット天体としては主要な10天体、ネイタルの感受点としては、主要な10天体に加えて、ASCとMC、アスペクトとしてはメジャーなアスペクト(合、セクスタイル、スクエア、トライン、オポジション)を取り上げて、すべての組み合わせを網羅しています。トランシット天体とネイタルの感受点の間のアスペクトは、合からはじまって、セクスタイル、スクエア、トライン、オポジションというサイクルで起きていくのだという思想の下に、個々のアスペクトについての説明が成されているようです。また、トランシット天体とネイタルの感受点の間の個々のアスペクトを取り上げるだけでなく、トランシット天体が、ネイタルの各ハウスに入ったときの意味合いが説明されています。

トランシットの中には、対処しにくい困難なトランシット (difficult transit) と対処しやすい容易なトランシット (easy transit) があります。本書では、困難なトランシットについて、引き起こされる可能性のあるネガティブな影響について言及するだけなく、困難なトランシットをいかにポジティブに使っていくか、また、困難をいかに避けるかという観点からの記述も豊富です。

トランシット天体がネイタルの感受点にアスペクトを投げかけたら、必ずイベントが起きるということはなく、出生図とプログレスを分析することが先決です。また、本書は、網羅的に記述されていて、クックブック的に使うことができますが、個々の天体やアスペクトの意味よく知ってから読まないと、あまりに大量の情報が書かれてているために、かえって混乱するということもあるかもしれません。そういう意味では、ネイタル、プログレス、トランシットの3重円の読み方を一通り学んだ後で読む進むと、本書をより効果的に活用できると思います。
by 隠星


[ Planets in Synastry ]
タイトル
Planets in Synastry
著 者
E. W. Neville
出版社
Whitford Press
ISBN No.
定 価
お勧め度
★★★★★
本書は、相性図(シナストリ・チャート)を解読することを目的とした本です。相性図の解読とは、2人の出生図を重ね合わせて、互いの天体の間の関係を読み取ることにより、互いの間に生まれる関係のあり方を検討することが目的です。

本書では、パート1とパート2に分かれており、パート1では、相性図を読む際のハウス、天体、サイン、アスペクトそれぞれの役割と、相性図を読み取るための手順が紹介されています。パート2では、まず、片方の出生図の天体が相手の出生図のどのハウスに入るかということについて、互いが相手にどんな役割を期待するかという観点で説明されています。たとえば、あなたのパートナーの金星があなたの5ハウスに入る場合には、あなたはパートナーがロマンチックに振舞うことを期待するだろうし、パートナーがあなたの魅力を見つけ出し、愛や賞賛を与えてくれることを期待するだろうといったことが書かれています。実際にはどうでしょうか?実例にあたって調べられると興味深い結果が得られるかもしれません。パート2では、続いて、一方の出生図の天体に相手の天体がアスペクトをつくる場合について、太陽、月、火星、金星に対するアスペクトを中心に説明されています。アスペクトとしては、合、セクスタイル、スクエア、トライン、クインカンクス、オポジション、が取り上げられています。

2人の相性図を解読するためには、まずは、各々の出生図を解読することが必要です。各々の出生図を単独に読むんで、各々が愛情に対してどのように取り組むのか、パートナーに対してどのように接するのか、どんなパートナーを求めるのかといったことを分析した後、本書を活用して相性図を読めば、2人の間柄について一層深く検討することができるようになるでしょう。
by 隠星


Whole Sign Houses The Oldest House System
タイトル
Whole Sign Houses The Oldest House System
著 者
Robert Hand
出版社
ARHAT
ISBN No.
定 価
$7.95
お勧め度
Excellent!
 この書籍はギリシア時代盛んに用いられたと言われる、Whole Sign House(分割)についてRobert Handが解説したものです。Whole Sign House(分割)はSign-as-House systemとも呼ばれ、Ascendantのdegreeのあるサインが1ハウスとなり、次のサインが2ハウスとなっていくものです。また、Midheavenは10番目のサイン内となる
わけではありません。さらに、このハウス分割は黄道のみを基準として用い、他のハウス分割方法のようにequator、horizon、prime verticalなどは用いてません。

 最初はHandがホロスコープやハウスの成り立ち、アスペクト、について古代ギリシアの占星術に遡り解説してます。この中で興味深いのは、古代ギリシアではサイン同士でアスペクトを考え、同様にハウス(=サイン)同士でも考えられたことです。ハウス(=サイン)同士のGoodアスペクトやBadアスペクトに無い場合、最もBadな関係であるとしてきました。Counting Housesというチャートが載っています。肉体を示す1サイン(ハウス)から見て6サイン(ハウス)は敵、疾病、と見られてましたが、中世において、「9ハウスは王にに対する隠れた敵を示す、なぜなら10ハウスから数えて12番目のハウスだからだ」という説明がされています。

 古代においてどのようなハウスシステムが用いられてきたか考察している、Historical DevelopmentではPtolemyのTetrabiblos、Julius FirmicusのMaternus、について原書のギリシア語、ラテン語から英訳する際の問題を指摘しながら考察してます。
さらに、Midheavenが10ハウス以外になる問題等についてLot(Part)を用いながら丁寧に自説を述べています。

 Handの書籍は例題チャートが豊富ですが、このWhole Sign HousesもMarx、Lenin、Wilsonなどのチャート分析の他、Horary占星術のチャートもあり、Koch、Regiomontanus、Placidusなどの分割方法と比較し占断してます。巻末には付録として用語集があります。

 48ページの薄い本ですが、Robert Handの豊富な知識に裏打ちされた説得力のある解説が魅力です。また、古代から中世にかけての代表的な占星術書からの引用もあり、この書籍を足がかりにし最近日本でも知られるようになった、古代ギリシア占星術書を読んでも良いでしょう。
by Cronus ( 2002/1/6 )